いってらっしゃい!

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  「わッ!」 砂埃のあがる海底はしばらく砂で何も見えないでいたが、海底が落ち着いてくるとそこは静かなナイト水族館。  流れに身をまかせ海の中を漂っていると、どこかで見たことのある鋭い牙を持った目つきの悪いやつがスルスルと泳いできた。 「ギャーッ! サメだーーッ!」  突然の生出演に驚き大声で吠えた。逃げろ逃げろ! と思ってもカプセルをコントロールすることは出来ない。坂上の意思に反してカプセルはサメのほうに向かって流れていく。  ドン!  サメの体当たり。カプセルは一瞬で向きを変え違う方向へ流されていく。 「誰かーーッ! サメがーー! 牙がーー!」  坂上はカプセルの中で叫びまくる。何度も何度も誰も来ない助けを求める。  すると、あろうことか仲間が来た。  サメも数を増し、遊び目的なのか食べる目的なのか、坂上は体当たりの餌食となった。濁った海水から影がうっすらと見えたかと思うと、そいつは至近距離にいた。
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