見つけられた少年

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 夏真っ盛り。  連日うだるような暑さが続き、海水浴場は今日も涼を求めた人でごったがえしていた。  ギラギラ眩しい日差しを吸収した灼熱の砂浜には所狭しとレジャーシートとパラソルが敷き詰められ、海面にも生まれたばかりのボウフラの如くうじゃうじゃと海水浴客がうごめいている。  その中に、浮き輪にはまったままプカプカ浮かぶ少年がいた。 「……どこ? どこ行ったの?」  不安げな表情をキョロキョロとあちこちに向け辺りを見回す少年。その肩に、チョン、と何かが当たった。
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