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今年もこの場所で聖巳と一緒に桜を見る事ができる。
と夏奈は思っていた。
来年も再来年もずっとずっと・・・
高校生活三年間は何だったのだう・・・
新しい生活がスタートした矢先
たった数日会わなかっただけで
人の心はこんなに簡単に変わるもだろうか。
夏奈はサンドウィッチを口に運んだ。
「おいしい・・・・・・」
泣きながら食べる味はしょっぱい。
その顔は酷かった。
腫れあがったまぶたのせいで目は小さく、鼻の頭は真っ赤になっていた。
この涙は感情の涙。
動物界での人間の特権。
夏奈は通らない喉を一生懸命動かした。
深冬の熱い視線に気付くことなく、ただただ物を通すことに集中した。
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