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「今日はもう店じまいだよ」
そう言いながらも、夏奈は海志の前にコーヒーを置く。
「なんで花火大会の日にも来るかなぁ」
海志とはもう一人別の来客があった為、夏奈は小声で言うとカウンターの片付けを始めた。
「花火大会いかねぇ?」
「いかねぇ」
「はやっ!」
「なんで好きでもない男と、わざわざ人ごみに行かなきゃいけないの?」
「今日、深冬が聖巳とデートする」
「・・・・・・キヨミって誰?」
「おまえの元彼の聖巳だよ」
深冬は自然消滅を望んでいる。
目の前のこの男は、そんな事も知らず、夏奈の店に通うことが日課となっている。
いい気はしていないだろうな・・・・・・
薄々感じていた事は、倍になって返ってきた。
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