1人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
いる
俺は人ごみが嫌いだ。
なぜなら"見えるから"だ。
誰もいなかったり、数人しかいないときは見えない。
人ごみだと見える。
特になにかをしてくるわけではない。
ただじっと、こっちを見つめている。
青白い顔をした、妙に細長い顔の子供が…
今日も俺は町を歩いている。
何食わぬ顔で自分たちの人生を謳歌する人々。
まるで迷いなどないかのような足取り。
自信に満ち溢れた様子で歩を進めている。
いる……
"それ"は今日もまた俺を見つめている。
周りは気付くことなく、不思議なことに子供がいるところを通らない。
俯いて歩く他ない。
最初のコメントを投稿しよう!