1人が本棚に入れています
本棚に追加
「嘘でしょ」
子供のはしゃぐ声や香ばしいソースが鉄板の上で麺と踊る音を聞きながら、私は一人スマホ片手にうなだれていた。
毎年湖で行われる花火大会。そこに私は友達と行く予定だったのだが、その友達からたった今風邪引いたから来れないという謝罪の連絡が来て、自然と溜息が出る。
私はもう、その花火大会の会場に来ているのだ。
さすがにここまで来たのなら花火も見たいし、屋台で美味しいものも何か食べたい。だけど大きな花火が毎年人気な大会なのでどこも隙間なんて見当たらないくらい、凄い人ごみでいっぱい。
目的の屋台までもゆっくりとしか進めず、誰かと一緒なら楽しめる道のりも、一人だと憂鬱でしかなく。
最初のコメントを投稿しよう!