いつかの八月十五日

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いつかの八月十五日

「じゃ、また」  彼女は来年も来るのだ。  いや、来年は私から行くのだ。  そう念じながら、人混みに紛れていく後ろ姿に手を振る。 ――ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン。  列車がまた一台新たに入ってきて止まる音が響いてきた。 (了)
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