朧月夜のけだもの

1/11
31人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ

朧月夜のけだもの

 1922年、帝都東京。  日本橋の中央通りの裏手に、小さな探偵事務所がある。アール・デコ様式のビルの2階に居を構えるそこでは1人の男が探偵をしているらしい。  彼は人並み外れた知識と、地位と、美貌を持ち、どんな難事件も一見のうちに解決することができるのだという。  帝都の人々は敬意と好奇をもって、彼をこう呼んだ。  ーー名探偵、と。  
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!