最後の受付

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 次の日、その次の日と来客はなかった。  今まで、連続で人が来ないということはなかったので、疑問に思った。しかし、この疑問は解決のしようがない問題なので、考えることをやめた。  仕事を終え喫茶店を出る。  人ごみのない時間帯を狙いたいが、そういう訳にもいかない。我慢して歩いた。  夕焼けが地面までを綺麗なオレンジに染めていた。武蔵は嬉しいと思うことはないが、もしかして生きているのではないか、と思った。  前を見上げると、立ち並ぶビルの上を、雲の隙間に、光のさす丸い物体を捉えた。この国は進歩しても、あの太陽はこの国の進化も見届けていると思うと、不思議にさえ思った。  空からふと視界を下ろすと、道路の反対側の歩道に視界に見覚えのある人物を見つけた。  一昨日来客した人物だった。  やはり気になっていた。心臓が高鳴っていることに、走り出した時には気づかなかった。  必死に足を回し、その人物に近づいた。
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