最後の受付

　武蔵は考えた。
　どうしても戻りたい一日があった。しかし、自分はあの扉に入って帰ってこなかった人を何人も見ている。

　だが、武蔵にはここで立ち止まったところで何も変わらないと言うことも知っていた。どうすればこの状況を変える事ができるか考えても、考えても答えなど出てこなかった。

　チャンスはここにしかなかった。

「1日コースお願いします！」

　出した事のないような大声を出してしまった。
　もう後戻りは出来ない。

　過去をそして、今を変える一歩を踏み出した。