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私と彼の物語
こんなはずじゃなかった。
こんなの自分じゃない。
作り笑顔を友達や家族に微笑んで、ただその場の空気に合わせて話を盛り上げる。
明るく、元気に、他人を傷つけないが私のモット―。
あの時はなぜか晴れているのに彼の性格のように雲が覆われていた。
「あなたは間違ってますよ」
驚いた様子で彼は私を見て、何か言いたそうに口を開けたまま言葉を発しようとしていた。
彼との空間だけは私になっていた気がした。
私は私だと自覚していたのに、こんなの自分じゃないみたいだ。
何気ない日常生活を送っている私はそれすら輝かしい世界になっていた。
今から話すことは、心の拠り所を探そうとする私と彼の物語。
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