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そういえば剣崎惺さん、あの時変なこと言ってたっけ。確か……
「今年がある予言の年らしいんだけど。どんな予言か知ってる?」
やっと私の頭から手を放す二人。あっちゃんは全然知らないという風に首を横にブンブン振った。
「それはまさしく、千年に一人の少女の予言のことでしょう!」
和歌ちゃんは、目をキラキラさせている。
「和歌ちゃん知ってるの?」
「『この世が支配されそうになったときあるまじない師の少女によって救われる』っていう予言があるの。その少女が現れるとされているのが今年らしいのでーす」
へぇ、そんな予言があったなんて全然知らなかったなぁ。
「詳しいね、さすが歴史研究部!」
感心して言うと、和歌ちゃんは照れた様子で頬を少し赤くした。
「でも、この世が支配されるなんてありえなさすぎっしょ。平和そのものじゃん」
あっちゃんはその予言に対して、非常にくだらないと言いたげな表情をしている。
今のこの国が平和なのは確かだ。突然戦争が勃発するなんて、万が一にもなさそうなほど。
ガヤガヤとうるさくなってきて周りを見渡すと、いつのまにか同級生たちが大勢集まってきていた。もう全員揃っているかもしれない。近くの花壇にある花時計を見ると、もう間もなく集合時刻だった。
流行りの手遊びをして盛り上がっている男子たちを見ると、何とも平和だなぁと感じる。
本当、この世が支配される予言を信じる人がいるなんて不思議だよ。
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