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「え? 何…何だって?」
「あれ、脳のカン違いで
起こるんですって。
ヒロさんて、考え過ぎちゃう
タイプだな。
考えちゃダメですって。
排泄器に交接器を挿れる位の
ことで。気持ちいいことしてる
時は、ちゃんと正面向いて、
心地よさを迎えに行く位の
気持ちで。
俺のケツに入れてんのに、
自分の後方ばっか
見てちゃダメっスよ」
「説教されるとは…」
「ちげーよ、説明、心構え。
何考えてたんです?」
「星…のこと」
「ははあ、星の回し合い?」
「え? 意味が分からない」
「うん、人ってね、星を回してる
つもりになってるでしょ?
環境とか、人間関係のことを
言ってるんだけど。
でも、あれは星に回されてるん
ですし、もしくは星が
回ってるんです」
少年が天を差し示し、大貴は天上
に煌めく星座群を見あげた。
「運命には逆らうなということ?」
「ほらね、ヒロさんたら、運命は
動かないって決めつけてる。
どんなものも全部動く。
星も回転する。
太陽自身も回転してて、
回転しながら太陽の周りを
回ってる星は太陽系の星だけ
じゃない。
太陽系外惑星も、銀河も。
宇宙自身も回転してるって説が
あるんです」
大貴と陽は並んで円形のベッドに
座り肩を寄せ天を仰いた。
「宇宙が動く?
ただ動くんじゃなくて回転って
ことは… 周期があるってこと
だよね。どれ位なのか…」
「700億年」
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