明日

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
 一二月二九日、夜。  大学受験まで、あと一ヶ月しかない。そんな貴重な冬休みの夜に、私はシャーペンを放り投げた。落ち着かなかった。どうしても。何かのアレルギーになったかのように、心身ともに疼いた。体のなかで蟲が蠢いているような、おぞましい感覚。  スウェットの上からコートを羽織った。ポケットには小銭がはいっているのか、じゃらりと擦れる音がした。  ちょっと出てくる。リビングの扉から顔だけ入れて言った。私は返事を待たず、扉を閉めた。廊下の冷たさが靴下越しでも爪先に刺さる。玄関でスニーカーを突っ掛けたところで、スマホを枕元に置いてきたことに気づいた。けどまあ、いっか。  外に出て、金属製のドアノブを掴んだまま反転。鍵をかけると、ガチャと鈍い手応え。家族を閉じ込めたみたいだ。  外は冷凍庫のように冷たい。白い息を吐きだすと、肩が落ちた。体内の毒がどろりと抜け、吸い込んだ冷気が消毒してくれているようだっだ。  晴れた夜だ。  雲はなく、クリーム色の三日月が無個性に浮かんでいるだけで、星はみえない。見慣れた都会の夜空。くすんだ紺色。  本当の夜はもっと濃く、恐ろしいものだと、私は知っている。いや、私だけじゃない。多くの、ほとんどの人が知っている。それはもっと純度の高い、黒に寄った紺色で、月は煌々として、星だって、宝石の粒みたいに尊く輝いている。  小学校の林間学校で、どこかの山に行ったときにみた夜空だ。他にも、都心で育った私たちは、夏にも関わらずひんやりとした清涼な空気、底のみえる光を運ぶ川、鳥や虫の鮮やかな鳴き声に驚愕し、感嘆し、高揚した。  あれを自然界と呼ぶのなら、ここは不自然界だろうか。  コートのポケットに手を突っ込んで歩くと視線が落ちた。  だからゴミなんていう不要なモノがでるのだろうか。あらゆるのもが循環する、洗練された調和のとれた自然界。それに比べて私たちのまわりは混沌としていて、ゴミばかりだ。  足元に転がるタバコの吸殻は虫の死骸よりゴミらしい。ただのゴミが、今の私にはとても悲しいものに映る。  電気屋の前を通ると、大小様々なテレビが通行人に向けられている。行く宛はないし、渡るつもりの信号は赤に変わってしまった。私は道路側の手すりにお尻を乗せて、テレビたちと向き合った。どれもこれもが同じチャンネル。ニュースの時間だ。アナウンサーのお姉さんが真剣な顔で画面の外に向かって話している。一、二、三……一五。同じ人が一五人いて同じ内容を同じ口調で伝える。まったくもって無駄だと思う。一四個のテレビをどけて、ドライヤーとかコテとか、かわいいスマホケースとかを並べた方が集客に繋がるんじゃないかと思う。まあ、それも私には興味のないものだけれど、きっとあの子なら真剣にはしゃいだだろう。  お姉さんは眉間にわずかな力を入れて、悲報ばかりを伝える。悲しみとか怒りとかを堪えているようにして。でも、その顔は作ってるな、と高校三年生にもなればわかってしまう。クラスの人たちはコロコロと表情を変える。もちろん、意図的に、あるいは作為的に。自分の感情を伝えるため、不自然な自然をつくりだす。きっとそうやって、大人になっていくんだろうな、なんて。まあ、生きていければだけれど。  次のニュースです。変わらぬ表情で、お姉さんは訴えた。 都内にある会社が放火され、大勢亡くなったらしい。犯人は、捕まったようだ。  焼けた建物の映像、車に乗った犯人。私はただ、無感情に同じ内容の画面を眺めた。  エンジン音に紛れて、私のそばで男たちの会話が聞こえてきた。大学生だろうか。明るい色の髪の毛が、これまた不自然な自然をつくりだしていた。  「あ、これ犯人捕まったんだな」  「ん? なんかあったの?」  「ほら、最近話題の放火事件。結構な死人がでたってやつ」  「ふーん、知らね」  「マジかよ」  「別に、関係ねえし。それよりその子、どうよ?」  「お前なあ」  ちょうど信号が変わり、私はけらけらと笑う男たちから逃げるように歩き出した。渡りきったあとも流れに身を任せ、ニュースの映像を思い出した。ほんの一分ほど前のはずなのに、ぼやけている。  黒煙を吹き出して焼けていた建物は、同じ都内にあるとはとは思えなかった。数十人死んだと言われても、悲惨な事件だな、と思うだけ。中年のオジサンが捕まったところで、それはよかった、と無感動に思うだけだ。  結局、自分と遠い出来事なんて、誰も真摯に受け止めない。アナウンサーも、さっきの男たちも。私も。  いつどこでどれだけの人がどのように死のうと、自分と関わりがなければそれはもう、別の世界の出来事で、作り物の、白い悲しみしか湧いてこない。  ポケットに突っ込んでいた両手をだして、頬にあてた。ぴりりと温かい。香水、タバコ、酒、排気ガス、あらゆる臭いを包み込んだ年の瀬の冷たい空気を吸い込む。これが私の現実。私の関わる世界。どこかで建物が燃え、人が燃えているかもしれない臭いはしない。  画面の向こうを別の世界だと感じるのは、温度が、臭いが、五感が届かないからなのかもしれない。  横断歩道を渡る。車のヘッドライトが眩しくて目を細めた。  帰ることを考えると、あまり家から離れるのはためらわれる。スマホも、身分証となるものも持ってきていない。来た道とは違う経路で、ふらふらと帰路につくことにした。  途中、コートのポケットに沈んでいた小銭を確認して、コンビニに入った。暖房の、乾いた温風が頬にあたる。おでんに目が持っていかれたけど、あたたかい飲み物のコーナーにたどり着き、少し迷ってはちみつレモンのペットボトルをレジに置いた。  笑みの形で顔が固まったおばさんから釣り銭を受け取り、ポケットに放り込んだ。内側の胸ポケットで、ファスナーがついている。私はまたもやおでんに目をとられながらも、なんとか脱出した。  再び冬の冷気にあてられ、その場で私はペットボトルの蓋をまわした。  そういえば、いつからかコンビニの前にあったはずのゴミ箱はなくなった。理由はわかる。彼らは不要になって棄てられたわけじゃない。むしろ仕事をしすぎたのだ。  琥珀色の液体から湯気が立ち上った。本当はカフェオレが飲みたかったけれど、眠れなくなるのは困る。おでんも、さすがに夜のカロリーは私でも気にする。  こくりと一口。  はあ。  思わず息がこぼれるのは私だけだろうか? お父さんがビールを呑んで吐き出す息と似ているんじゃないかな。  こくり。オレンジ色のキャップをして、コートのポケットに手と一緒に突っ込んで歩き出す。右手だけあたたかい。  壁面に液晶の付いたビルに写し出される時刻は二一時ちょうど。高校生は二二までには家に帰っておいた方がいい。補導なんて滅多にされることじゃないし、されたところで罰則があるわけでもない。迎えにきてもらう両親のどちらかにごめんなさいをすればいいだけだ。  でもきっと、そういう、良くないことはしない方がいいんじゃないかと、一年前思わされた。はじまりはもっと前からだったのに、私には関係ない、どこか別の世界の出来事だと思っていたのだ。  広くはない歩道。枯れた街路樹。刺々しい店たちの灯り。横になって歩く集団とすれ違った。同い年くらいだろうか。いかにも人生を謳歌していますと言わんばかりのその面々は、私には痛々しくみえた。もしかしたら、彼らも私と同じかもしれない。  燃え盛る建物の一室で、外では消火活動が、なかでは黒煙がはびこっている。でも私は去年までなにも知らずにそこにいた。いや、知っていたけど、自分には関係ないんだと思っていた。だって煙は入ってこないし、壁も熱くはならなかったから。  隅で立ち止まって、彼らの後ろ姿をみていた。私の背後から視界に入る人たちが、やがて彼らを隠してしまった。そのなかで、振り返った女の子がいた。  「ユイ! すごい偶然。どしたの?」  「サエ。散歩だよ。そっちは?」 小学校からの幼馴染みが目を丸くしていた。もちろん、私も驚きだ。  「あたしはバイト。九時であがりなの。そしたらスウェットにコート着た女の子が突っ立ってた」  サエが指した少し先、道に面してお洒落なレストランが明かりを漏らしている。バイトしてるなんて知らなかった。冬休みに入ってからはじめたんだろうか。サエは推薦で進路は決まっている。  私は肩をすくめた。  「お疲れさま。知り合いに会うなんて思わなかったから」  「せっかくかわいいんだから、いい加減オシャレでも化粧でもすればいいのに」  あの子にも、よく言われたな。  「いいよ、面倒くさい」  サエはわざとらしく呆れたように笑った。少し背伸びしたようなその表情は、全然違うのに、さっきの集団を思い出させた。  「帰りなら、途中まで一緒に帰らない?」  「うん、一人じゃ寒くてまいってたんだ」  クスリとサエが笑って、私たちは歩き出した。ときおり腕が掠れるくらいの距離。寒さが少し和らいだような気がする。それとは逆に、私のなかで深くなっていく穴がある。  去年まで、私たちは三人だった。  私とサエ。それとカナ。  小学校から高校まで一緒。都内ではなかなか珍しいんじゃないかと思う。そのぶん、私たちの仲はよかった。三色の串団子のように、絶対のセットだった。なのに。  「勉強、どう?」  サエが不安そうに尋ねる。  「まあまあかな」  「そっか」  私たちはポツリポツリと話をした。喧騒に紛れて消えてしまうような、他愛のない会話だ。それはどれも冬休みにはいってからの、クリスマスからの数日の話で、明日以降の話はしなかった。やっぱりバイトは最近はじめたらしかった。  明日の同じ時間に会えていたなら、卒業したらどうのこうの、大学行ったらああだこうだとやかましいくらいに弾ける話をしただろうか。  うん、したかもしれない。でも、たぶんぽっかりと空いた胸の穴に、大半が吸い込まれてしまううじゃないかとも思う。  スクランブル交差点で、私たちは別れる。夜の九時過ぎだというのに、大勢の人が信号を待っている。  サエは困ったように微笑んだ。  「じゃあ、」  言葉はそこで止まってしまった。鼓動のような重低音を響かせる車に飲まれたのかと思った。それくらいには小さな声だった。けど、もっとシンプルに、なんて言ったらいいのか、わからないのだろう。だって、私にもわからないから。信号を待ちながら、でもきっと、なにも言わないのだけは間違っている。私のどこかが、そう判断した。  「またね、サエ」  なるべく優しく、でも普段通りに私は言った。  「うん。またね、ユイ」  彼女の声は少し震えていた。湖面に浮かぶ波紋のような、細やかな、けれどたしかな震えだった。もしかしたら、私の声も震えていたのかもしれない。  サエは横断歩道を斜めに、私は真っ直ぐ渡る。カナだったら、横に渡った。サエの姿は人混みに紛れ、見えなくなった。カナを探そうとしてさらに首をひねったけれど、見当たらなかった。そんな自分に、苦く顔が歪んだ。  またね、か。本当はそんな優しい言葉が震えちゃいけないんだ。もっと希望に溢れた、お日さまみたいに明るく突く言葉のはずなんだ。  サエの渡った先を振り返るけれど、彼女はやっぱり見当たらない。速度を落とした私を鬱陶しそうに、スーツの男が抜いていった。  底のないグラスを満たすように、ぬるくなったはちみつレモンを一気に飲み干した。  空になったペットボトル。その辺に捨てるわけにはいかない。中身のないペットボトルは途端に邪魔に感じて、ゴミ箱がないかと探して歩く。キャップの部分を摘まんで。  どうしようもなく、ゴミは棄てられるべきだと思う。言うまでもなく、棄てられるゴミの意思なんて介在する余地はない。持ち主が不要だと、用済みだと判断したなら、ただただ棄てられる。  空のペットボトルを弄ぶ。中身のない容器は、寂しい。ぺこんぺこんと虚しい感覚。私が必要だったのは中身の液体であって入れ物ではない。その中身はさっきなくなった。なら、このプラスチックに用はない。  本当に、そうだろうか?  私にとってはゴミでも、他の誰かのとってはゴミじゃないかもしれない。  だから?  持ち主次第で、ゴミはゴミでなくなるんじゃないだろうか。  それでこのペットボトルを捨てない人を探すのか?  バカらしい。意味のない自問自答だ。  たかがゴミ。でも、世界中の人がゴミだと決めつけても、私にとってはゴミじゃないものだってある。どうして勝手に棄てちゃったの?  サエの顔を思い出す。はっきりと思い出せる、私の大切な友達。  また、会えるだろうか。たとえば明日。  たぶん、会えると思う。でも、明日になってみないとわからない。ミジンコくらいの確率かもしれないし、蟻くらいの確率かもしれないけど、会えない可能性がある。私はその程度のことに怯えている。自覚できるくらいには大きく。  まっすぐに続く広い通りを折れる。街灯はあからさまに減り、それに比例して人も、音も減った。  ポツリポツリと歩く人のなか、私の足音が聞こえる。スニーカーがコンクリートを叩く気だるげな音が一定のリズムで自己主張する。私はここだと言うように。  灯りの少ない夜道は暗い。空の紺の方がよっぽど明るくて、空が地上を照らしているんじゃないかと思ってしまう。  本当の夜空はもっと深い。何もかもを吸い込んでしまうような奥行きがある。  林間学校で見上げた夜空。あのとき、サエもいた。カナも。  三人で手を繋いで空を仰いだ。きらめく星と私たちを飲み込む闇空。明るいのか暗いのかわからなくなった。私たちは圧倒された。手が届きそうなくらい近くにあった夜空は、私たちをつかんで放さなかった。漠然とした畏怖に、繋いだ手から痛いくらいに力が伝わってきた。きっと私も同じくらいの力で握っていた。そうしないと、不安だった。  夜とは、そういうものだ。向こう側のみえない闇だ。私たちは闇の向こうにある希望、例えば、明日とかを願う。どうか、私を飲まないでください。そんな風に。  二色に別れた夜の闇は、恐れの象徴みたいだ。飲まれることを恐れ、たくさんの光を使って本当の夜を遠ざけたみたいだ。  白い息が、空気に溶けていく。  空の紺を背景に、建物の真っ黒なシルエット。二次元的なそれは、画用紙を貼り付けただけだと言われても信じてしまいそうだ。張りぼてで覆われた世界。ゴミ箱の内側に綺麗な絵を貼っておいたらこんな感じなのかもしれない。  角を折れ、家に着いた。自分で閉めた玄関の鍵を開け、するりと入った。  足だけで靴を脱ぐ。火照った足の裏に廊下がひんやりとして気持ちいい。  リビングにただいまを言って、自室に上がる。手探りでスイッチを入れると白い光が部屋を照らすと、闇は簡単に晴れた。眩しい。コートを脱ぎ、椅子に投げ掛けた。ポケットからキャップが覗き、ああ、とペットボトルを抜き出す。いついれたっけ。  とりあえず、机の上に置くと、ぽん、と腑抜けた音がした。ペットボトルの回収日は月に二回で、次は来年のはずだ。明日は、  明日は、年に一度の『人ゴミ』の日だ。  誰が、いつ、どうやって、何を基準にか選び、回収する。数年前に現れた政策のそれは、増えすぎた人間を選定するために執られた措置だった。  大々的に公表された訳ではなく、ゴミのカレンダーの一二月三〇のマスに『人』とかかれるだけではじまった。決まりはないけど、多くの家にとって大掃除の日だろう。  そんな印字だけのものに現実味なんて欠片もなかった。いつの年だったか政治家なんかのお偉いさんも棄てられた、と次の日のニュースに流れていた。けれど、画面の向こうの出来事で、私の世界には関係のないことだった。一年前の今日までは。  去年の、つまり前回の人ゴミの日、カナが棄てられた。  次の日に迫った大晦日。私とサエとカナは初詣に行くつもりだった。待ち合わせについてのメッセージは当日になっても既読はつかず、電話は繋がらなかった。カナは私と違って、スマホはいつも持ち歩く。嫌な予感に背筋が粟立ち、急いで彼女の家に行った。痛いくらいに寒い日の夕方だった。それなのに私の内側からは汗が出てきて、乱暴にベルを鳴らした。  カナはいなかった。  彼女の両親は家にいた。母親が玄関をものすごい勢いで開け、私と目が合うと、あからさまに落胆し、次いで崩れるようにして私に泣きついた。冬の夜は足が速く、寒さは加速していくなか、彼女の涙だけが熱を持っていた。まるで血液のように。  カナがいなくなった。嗚咽に紛れてカナの母親が言った。その言葉が更なる崩落を彼女に生んだ。彼女は悲痛な声で、泣いた。家の奥からカナの父親が出てきて、私はカナのいなくなった家へ誘われた。棒立ちの私の目から、涙は出なかった。  中で何を話したのか全く覚えていない。気がついたら年が明けて、学校がはじまっていた。でも、カナは登校していなくて。私はようやく、彼女はあの日『棄てられた』のだと理解して、泣いた。産まれて初めて、音のない涙を流した。言葉に表せないたったひとつの感情が、表しかたがわからなくて、涙という形になったみたいだった。  電気を消して、もぞもぞと布団の中で横向きになる。勉強は、今日は無理。 枕元のスマホを握った。冬の機械は凍死していないか心配になる。なのにボタンを押せば画面はやたらと明るくて、眉間にシワが寄った。  通知ひとつないスマホ。受験を理由にSNSを退会しまくった。やたらめったら繋がることを勧めるそれらが鬱陶しかったから。なのに。本来の目的としてはなにもおかしくない携帯電話のはずなのに、とても寂しいものに感じる。  サエにメッセージを送ろうか悩んで、やめた。  大丈夫、明日は来る。  明日を願うことはカナへの裏切りになるんだろうか。一年前に回収されたカナは、どうなったのか。私は何も知らない。それは本物の夜に似ている。飲み込むような夜の先がどうなっているのか、わからない。わからないから、恐ろしい。断崖絶壁から突き落とされる方がよっぽど単純だ。  仰向けになって、目を開ける。消灯した部屋が夜の光を受けて漂うようにぼやけている。光源の窓は一際明るい。もちろん、そんな光は偽物で、紛い物で。  まぶたの裏に広がる闇の方が濃くて、私は目を開けていることにした。数えきれないまばたきが、刹那の闇を造り出す。  眠気は足先からはじまり、脳は熱にとろけ、視界は緩み、闇は長くなった。  私はまぶたをおろした。少し長い瞬きのむこうに、明日があると願って。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!