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精神年齢
「それでー? 諸国連合から来た2人はどうかなー?」
「暗部でも情報はもってるでしょう?」
「先生としての感想を聞いてるんだよー」
夜ご飯。
もはやヨルが生徒の時からいるので違和感がなくなってきた食卓である。
「ミクは良くできる生徒って印象ですね。年齢からすれば大人びているともとれますけど、些細なことです。キリトはちょっと問題児の匂いがしますね。ゲイルとは違った方向で拗らせていそうです」
「ヨルさんはどう思うー?」
「概ね一緒です。敢えて言うなら、回復魔法への適性ですが、ミクさんはありそうでキリト君はまずないですね」
回復魔法への適性は何に左右されるのか長年証明されていないが、回復魔法に振り切っているヨルとしては性格が基本だろうと考えているらしい。
それこそ、日本のように性格を判断するために100個の質問に答えてもらって分類する、なんてことは行われていないので証明されるのはまだまだ先の話になるか、難しいだろうが今までかなりの的中率を誇っているらしい。
「へー、そうなんだー」
「先輩から見て2人に気を付けておくこととかあります?」
「んー」
顎に人差し指を当ててコテンと首をかしげるフィオナ。
同時にゆさりと2つの巨大な玉が揺れる。
ただの球状ではなく、根本からの形がむんにゅりと変わるのがみそだ。
「2人は幼馴染で、互いにかなり連帯感というか、依存している感じらしいよー。初めはこっちにもミクさんだけで来る予定だったのをキリト君が暴れてついてきたらしいしねー。向こうでも抑えられる人はいただろうけど、戦争で疲弊していたからやりたくなかったんじゃないかなー」
しっかり問題起こしてんじゃん。
「ミクさんもかなりキリト君を信頼している部分はあったらしいけどねー。成長してくにつれてちょっとずつ離れ始めてる感じかなー。まぁ、思春期の男女としては適切な距離の置き方って感じかなー。あ、彼女は向こうで何か問題を起こしたことは無いから安心していいよー。考え方がちょっと特殊みたいだけど、それならライヤ君も中々だから、仲良くなれるんじゃないー?」
「貶してます?」
「褒めてるんだよー」
ニコニコと語っているフィオナだが、少し前に王国に来ることが決まった2人の幼少期からの情報を既に大体把握しているのが怖すぎる。
「前は情報無くてライヤ君に迷惑かけたからねー。こっちでも頑張っているんだよー」
暗部の頑張り……。
ありがたいと思えばいいのか。
どこかで人知れず逝かれてる人がいるんだろうなとかよぎってしまう。
「まぁ、生徒としては問題なさそうだねー。何か気付いたことがあったら教えてくれると嬉しいなー?」
アンブコワイ。
「おはようー」
「「おはようございます」」
「……」
翌日。
普通に授業に入っていったらまだ拗ねてるやつが若干1名いた。
なんだこいつ。
ライヤの予想が正しいなら、2人は元の世界でそれなりの期間を過ごしているはずだ。
人生ゲームを知っていたことから、日本人であった可能性が最も高いとも思われる。
それにしては、人間が出来ていない。
自分からけしかけておいて負けたら1日どころでなく拗ねるだと?
学校にきていることは評価できるが、それもどうせミクに引っ張られて来ただけだろう。
また面倒なことになりそうだ……。
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