満員電車と退屈な時間

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 通勤電車には、老若男女、様々な人が乗っている。満員にも関わらず常に複数名で行動する女子高生、どんな体勢になっても器用に新聞を読み続ける会社役員風の男、スマートフォンを見ているのか、その向こうにある窓の外を見ているのかわからないくたびれたサラリーマン。  僕はそういった見ず知らずの人たちのバックグラウンドや秘められた能力を見抜く特殊能力を持っている(という設定になっている)。  要は勝手な想像で設定を考えて、駅で待っている二十分、そして目的の駅に到着するまでの六十二分の退屈を紛らわすのだ。
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