嗤う痴漢

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【間もなく電車が到着します。黄色い線の内側でお待ちください】  その大きな檻は、悠々とホームに滑り込んできた。ああ、今日も一日が始まる。ドアが開くとともに大勢の人が吸い込まれていく。  私も下を向いたまま歩くと、発車のベルが鳴り響き、電車は大きな息を吐いてドアを閉めた。  電車の中には、様々な広告がぶら下がっていた。雑誌に遊園地に塾、その中の乗馬スクールのポスターに目が留まった。  ああ、私ももう少し時間があれば、こういう動物と触れ合うこともできるのに…
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