嗤う痴漢

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 男は相変わらず微笑を浮かべている。さては私は何も抵抗できない弱虫な女だと思っているのね!  私は勇気を振り絞って男の腕を掴んで、叫んだ。 「この人は痴漢です!」  車内は騒然となった。周囲にいた人たち、特に男性客は驚いた様子で私とその男から距離を取った。全員の視線が釘付けになっている。  私はドキドキしながらも、この男もおしまいだと思った。
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