嗤う痴漢

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 窓の外に広がる地下鉄の闇が、男の姿を際立たせた。 「さあ、当ててみなよ」 「わかったよ。私が何もできないと思っているのね!?」 「違う」  ガタンと車体が揺れた。 「凄腕の弁護士が、友達にいる」 「違う」 「虚勢を張っている!」 「違う」  背筋に冷たい汗が流れた。男があまりに堂々としているため、私が間違っているのではとさえ思えてしまう。  男は冷笑した。 「ほかには?」
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