嗤う痴漢

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――いるはずの男が映っていない。  振り返ると男の姿はなく、私は空気を掴んでいた。  乗客たちの視線が痛い。彼らは得体のしれない物を見るような目で私を眺めている。彼らの目に映っていたのは…  ガタガタと足が震え、私は独りでは立てなくなった。周囲の人たちの視線が痛い。ひそひそと囁く声が怖い。 【閉まるドアに、ご注意ください】  電車は定刻通りに発進した。
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