嗤う痴漢

1/8
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
 スズメが喉を鳴らしながら、じゃれ合っていた。  時に小首をかしげ、ピョンピョンと跳ねている。ああ、私もスズメのように自由に生きられたらいいのに。  今日も若ハゲ課長に遭うと思うとぞっとする。少しでもミスをしようものなら、1ヵ月以上前の些細なミスを持ち出してしつこくつついてくる。次のプロジェクトのプレゼンも迫っているのに。また、どやどやと言われてしまうのだろうか。  ため息をつきながら駅に入り、改札を抜け、電車の列に並んだ。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!