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しかし、僕の崇高なる認識とは裏腹に、彼らも実際には生きた人間。スクランブル交差点の真ん中に突っ立って笑う僕を交通の妨げと考えることもある。
「おい、邪魔だ! どけ!」
そんな下賤の輩が肩をぶつけ、畏れ多くもこの僕に無礼な口を利いたりもする。
でも、彼らとは別次元の高貴なる者として、ゴミを相手に怒りを顕わにするような今の僕ではない。
そんな時は、高貴なる余裕を見せつつも威厳のある態度で、
「言葉をつつしみたまえ、君は王の前にいるのだ」
と、身の程知らずなゴミどもに言い放ってやる。
すると、大方は僕の堂々たる態度にすっかり気を削がれ、なんだかポカンとした顔でそのまま立ち去って行くのであるが、時には分不相応にもさらに立てついてくる愚かなゴミどももいる。
「はあ? 何が王だ、コラ!」
「なんだ? 中二病の王様かあ?」
いかにもうんざりするようなアホ面をした反社会的な輩が二人、さっさと立ち去ればよいものを、そう言って凄むとステレオタイプにも絡んで来た。
「僕と戦う気か? ならば諸君に見せてあげよう、超古代の雷を。旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした火だ。ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているがね……」
無益な殺生は望まないが、まあ、ゴミを焼却処分するだけなのだから別に心も痛まない。
僕は口元を歪め、愚かなゴミどもに偉大なる超古代文明の王として嘯くと、暗青色をしたパワーストーンを手に我が頭上の積乱雲の中に隠れているであろう天空の城へと指示を送る……。
と、その瞬間、ドーン! という鼓膜を劈く轟音とともに眩い強烈な光が瞬き、目の前に立つ彼らの上へ雷が落ち来たると、王に立てついたアホ面のゴミどもは一瞬にして炎の塊と化す。
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