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ＣＲＯＳＳＲＯＡＤ
待ちあわせの場所にここを指定したことを、きっとあなたは不思議に思っているよね？せっかく久しぶりに東京に来たのに、そしてもう来ることはないのに。
あなたはきっと、どこにだって連れて行ってくれるつもりでいたよね？今日は私の好きな場所、好きなお店。最後に私をいっぱい楽しませてくれるつもりだったよね？
距離に負けたくなかった。
だから卒業から4年、二人で頑張ったね。あなたは長期休みのたびに飛行機に乗って帰ってきてくれた。あなたが4年間過ごしたあの地に。海を渡って。
私も慣れない東京に来た。一口コンロしかないあなたの小さな部屋で、仕事から帰るあなたを待って掃除をしたり洗濯をしたり、料理をしたり。それはいつも短い数日間ずつだったけれど。
何度も東京に来たけれど、どうしても慣れなかったスクランブル交差点。
「あそこは俺も苦手。今でもぶつかるときがある」
「ぶつかったらどうするの？」
「瞬間、会釈して進む」
「ごめんなさいとか言わないの？」
「そんな時間はないさ」
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