色なき風の頃

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小さなホテルをのスケッチを終えて、席を立った。支払いをすると、彼が、 「また、お待ちしております。どうぞお二人で」 と言った。 一度、一泊しただけの客の顔を覚えているのだろうか。 何か印象に残ることをしたか。 男の二人連れ? そんなことを考えながら、元の道に戻り、家に帰った。 迂回したのは寄り道…。 野球部へ行くのも、当たり前の気がしているけど、つい春先迄は考えもしなかったことなのだから、 何もなかった。 過去に寄り道して、現実だと夢を見た。 そう思えばいい。 そう思い込めばいい。
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