京都府警あやかし課の事件簿3(水と貴船に尋ねれば)

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　神社なのだからお守りやお札はもちろんの事、ルアー型のお守り、御神水を配合した石鹸、化粧水まで売られている。

貴船の神は龍なので、龍神守りという小さな龍の根付も売られており、辰巳大明神が、

「ややっ。塔太郎がいっぱいおる！」

　とからかっていた。

塔太郎が龍になれる事を知らない輝孝はぽかんとしていたが、塔太郎本人は気恥ずかしそうに手を振り、

「俺なんかと比べたら、貴船明神に失礼ですよ」

　と苦笑いしつつも、楽しそうだった。

　その光景を遠巻きに見つつ、ふと顔を上げた大の目に映ったのは、「水占（みずうら）みくじ」というおみくじ。

白紙の紙が積まれており、ここから一枚抜いて、それを水に浮かべると本文が出てくるという仕組みだった。通常のものと違って、水の神を祀る貴船神社らしいおみくじである。