第一章 コードA高校二年編 Prologue

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第一章 コードA高校二年編 Prologue

奇跡なんて、起きるわけがないから奇跡であって。 努力して、努力して、血を流すまで努力して、その結果100パーセントなんて、最高の舞台に上がって、これが最後、という時に全部出せるかどうかなんてわからない、でもその時最高のものを出せたとき、奇跡は降りてくる、降りてくるものだと信じている。 毎日の練習は努力の塊になる。 そう信じて辛い練習をする。 悔しくて泣く日もある。 自分に力がなくて唇をかむときもある。 でも、その先に何かを見ているわけで、誰もが目指すものは最高峰の頂点であるわけで。 そこまで行く道は違っていても、必ずその先にある何か、それに届きたくて、みんなもがき苦しんでいるわけで。 その先にある何かが、栄光でも、名誉でも、結果がついていかなければすべて水の泡になる。 勝たなければ意味がない。 そんなのわかってる、負ければ二位、人は、頑張ったじゃないというが、負けは負けだ。 挫折はもういらない! 負けたくない。絶対負けない! だからすべてに勝つ! 勝利していく! それを決めたのは私だから、誰かがやれと言ったわけじゃない、すべては自分自身。 だから・・・だから! お父さん、私、間違ってないよね・・・ 教室の後ろから聞こえるにぎやかな声に振り返った。 オレってなんか持ってんじゃねえ? 眩しく見えた。 そういえるってヤツに限って大人になってからも何かで活躍できる。不思議だ、何でだろう? でも、その頃はそんなことこれっぽっちも思っていなかった。 派手な集団、目立ちたがり屋、クラスのおのぼりさん、ちょっとぐらいモテるからって、女を簡単にそばに置く男たち、それにまとわりつくケバイ女たち、いつも教室の後ろに陣取りたむろしている男女、ヤンキー、かかわらないようにみんながさけていた。 でも・・・ 私はその中の彼を横目で見ていた・・・ そう・・・ あの魔法の言葉の感覚を知っているから。 そして・・・ 私達は魔法にかかったのかもしれない。 この時から・・・。
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