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分裂の頻度はシリの方が高く、それこそねずみ算式に増えていく。フネンだけなら問題はなかったが、シリが増えれば食糧難にならざるを得ないことを予想できた誰かが動物の豊富な星を探すことを考えたのだろう。
偵察目的で地球に飛ばされて、偶然この国で暮らすことになったオレは考えることが多くなった。そのせいかどうかわからないがここに来てからは一度も分裂していない。前の星でした1回目の分裂での片割れがシンだ。
フネンはここでは分裂ができない。それはオレだけでなく偵察隊全員がそうだったのをみると間違いないのだ。フネンがここで暮らすのはリスクが大きすぎるという偵察結果を知らせる前にやってきてしまった。
オレたちを偵察に送ってしばらくして、フネンが生かしていた動物とシリやフネンを乗せたバッタ船を格納した母船全てがその星を脱出した。しかし、迷子になり、他の星でしばらく暮らしていたという。ようやくここにたどりついたらしいが、母船が焼けてしまって大量のバッタ船を一度に降らせてしまうことになった。
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