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『座って…。』
「はい。失礼します。」
小木さんが、椅子に座った。
わたしは、壁際のベンチへ。
『久しぶり…だね。』
「はい…。」
『元気だった?』
「はい…。」
「いや、元気じゃなかったです。全然、元気じゃ…なかったです…。」
『……。』
二人共、押し黙ってしまった。
『わたしのせいだね。ゴメンね、あの時は。』
「いえ、わたしのせいですから…。」
電話の時と同じ展開に。
『小木ちゃん、違うんだ。それは、違う…。』
「えっ!でも……。」
『わたしが弱虫だったから、頭でっかちだったから、小木ちゃんを遠ざけちゃったんだ…。』
「かよ…先輩?」
わたしは、ベンチの端に移動し、小木ちゃんの真っ正面に座った。
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