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小さな島国は戦争に明け暮れていました
ぼくの住むこの小さな島国は五十年ばかりの間に、北の国や南の国と戦争し、それが終わったら、今度は東の国と戦争を始めて既に六年近く経っています。
ぼくのお父さんは、東の国と戦争を始める少し前、ある日突然警察に連れて行かれ、そのまま帰って来なかったということを、後年、ぼくが中学を卒業するころお母さんに聞きました。 お父さんは戦争に反対だったことを知りました。
お母さんは一週間に二三度、「今日はお仕事がありますから」と云って、朝、家を出て夜かなり遅い時間に帰って来ます。 このことは、ぼくがお母さんを意識した、幼い頃から続いており、どこの家も同じようなものだと思っていました。
そして、更に・・・。
西の国と戦争を始めたのは、ぼくが小学校四年生の時でした。
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