第二話 新しい出会いと上級生

2/3
前へ
/110ページ
次へ
ギターを弾くのは三人いた、二人は、アコースティックギター、ほんとはエレキギターを弾くために習い始めたらしい、そして、私のあとには弾きたくないと言って順番が呼ばれ、私は最後となった、よかった先で、の言葉を残し笑って壇上へと上がった二人 ―次、山田 「ギター違うね」 「あいつのは、クラシックギターだからな」 ザワザワ ―静かにしろー 「何?」「学部長が来てる」 後ろを振り向く、一度見たことのある顔、コンクールの時に審査員でいた人が、知佳を見ているのがわかった。それといつの間にか関係のない人たちが入り込んで見ているのがわかる。 演奏が始まった。コンクールの自由曲、懐かしいフレーズ、一段と丸みを帯びた曲調、又少し、走ってる、クスッと笑いながらちょっと前を思いだす、心地よい曲に目を閉じた。 今日一番の拍手が起きる 「すげー、かっけいいな」「この曲で全コン優勝したんだ」 「全コン?もしかして、奨学金貰ったって知佳ちゃんの事か?」 「ああ」「やっぱすげー、俺の目に狂いはない、原、俺、知佳ちゃん狙っていい?」 「ぶち殺す」「冗談、やめときまーす」 「どうだった?」 「走る癖ついてるな、もっと落ち着いて弾けよ」「久しぶりでちょっとあわてた」 「やっぱりお前ら夫婦ジャン」 後ろを振り向いた、もうそこにはだれもいない。 「なに?どうしたの?」 「ん、別に」 「大学の食堂ってすごいおしゃれ」 なんか、どっかのカフェの様、ガラスケースの中にはデザートも並んでいる。目移りしてしまう。 「お前はそんなのいらねえの、カロリーの高いもの食え」 「はい、はい、わかってますよAランチ見て、すごい安い」 「へー安いんだな、お前料理できないからよかったじゃん」 「何、知佳ちゃん出来ないの?」 「まったくって言うほど、簡単なのしかできません」 「親子丼ぐらいだもんな」「悪かったわね」 「俺席取ってくるから、Aランチよろしく」 「ねえ、何でカロリーなんか気にするの?」 「うん、ちょっとね、私、食べなくても平気な時があって、倒れたことがあるんだ、だから、無理してでも食べないと、周りに迷惑かけるから」 「ふーん」 「お待たせ」「次は?」 えーと、スケジュール表を出す、小野さんに書いてもらったもの 「はー、休みなんてないじゃんか」 「そうだね、少し、どっか削る?」 何それ、と蒼井君が覗いたスケジュール、原、真っ黒ジャン、知佳の方が白い、ん?あ、でも、時間は同じ?
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加