第三話 ファーストアルバム

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蒼井君、本村先輩の三曲を録り終えた。 「失礼します、牧さんお電話です、二番です」 ―時間だ、悪いな そういうと電話で何かを話してすぐに切った。 ―これ、三曲あげておくぞ 「ありがとうございました」 手を上げて出ていくのを見送った。 「よかった―少し楽になる」 「二曲は前のを使えばいいのか」 「よし、このまま三曲練習だ!」【おー】 事務所、叔父が誰かと話していた。 「お疲れ様です」 テスターのテツ、相談がある、叔父を訪ねていた。そこに牧さんも来ていた。 「・・・そうか、解散か」 「ここまで頑張ってきたのにな」 「仕方がありません、頑張ります、よろしくお願いします」 あれから三年、ソロで何とかしようと頑張ったがやはり無理だった、新しいメンバーを探すと言ったらしいが牧さんはあわてなくてもいいといった、私たちヴァ―ズがいるからと。 「一人で悩むな、仲間がいるんだ」 「ありがとうございます、知佳ちゃんと原君によろしくお伝えください、また来ます」 そういうとその場を後にした。 「あいつだけ残っただけでもよしとしないとな」 「そうですね、あいつなら乗り越えていけますよ」 二人で話をしていると挨拶をする男が 「おはようございます」 「来た来た、牧さん、俺んちの二号」 「きみか、あのプロダクションから来たっていうのは」 「はい、柿田です、お願いします」 解雇から数か月、打ち合わせ、マネージャーとやってきた。 これからの事、バンド名そのままでいいのか、前の会社から縁を切るのであれば変えた方がいいとアドバイスをもらった。 「どうだ、心機一転、アルバム作るか」 「はい、お願いします」 ブースの向こう側、社長が入ってきた。 「柿田さんお久しぶりです」「久しぶりです」 ―よー、元気か 扉を開ける、握手を求めた。 「落ち着いた?」「うん、これから頑張るよ」「今度は一緒に仕事できますね」 「原君、よろしくな」「はい」 みんなが集められる。会社の商品二号として新しく活動すると、みんなから笑いがこぼれた。ヴァ―ズと柿田さんのグループのアルバム制作 場所はここ、そのための新しいスタジオが隣にできたと 「住居はまだだが教室は始める、お前たち専用のスタジオだ、ここと両方をうまく使ってくれ、教室は、九時終了後は好きなだけ使ってもらって構わない。ただし電気代はもらうからな」 アハハハ 「忙しくなるね」「そうだな」 「俺も付きっきりになるな、店は川上に任せるか」 「やった、優出世ジャン」「よかったね」
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