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序章 天狗様、再び
――あなたは、だぁれ?
暗い暗いただひたすら真っ黒な世界に、突然、光が差した。
光は、僕にそう問いかけた。
眩しくて目がくらむけれど、その光は少なくとも温かかった。
暗くて冷たい、寂しい世界とは違う。
その光が、もっと欲しいと思った。
すると、光は僕を見て、笑った。
――そうか、あなたは……お星さまなのね
目覚めたら、自分の頬を温かいものが伝っていた。
どうしてそんなことになっていたのか、不思議には思わなかった。
私は夢の中で、あの暗い世界に居た人の心を垣間見たから。
あの人は、自分のもとに現れた”光”を、ひと目見たその時から、愛していたのだーー
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