お通夜

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お通夜

 学校の関係者と、クラスの担任と全員は通夜に出席する事になった。明日の葬儀は、家族葬にする為、ほぼ今日の通夜に来ていたのだ。  不思議でならなかった…皆なんで涙が出ないんだ…クラスの一員が、仲間が亡くなったのに!僕はたった一日の出会いだったけど、周りを気にせず涙を流した。海斗が…昨日まであんなに元気だった海斗が…。  「う…うぅ…海斗…」  おかしい…先生や生徒から…視線が痛かった…でもそんなのどうでもよかった。今の僕には海斗がいなくなった事が、どんな事より寂しく辛かった。皆、親と来ている人は帰って行ったり、先生もすでに帰っていた。僕は親に電話して、もう少ししたら帰るからまた電話すると言って、通話を切った。  なかなか海斗の傍を離れられなかった。寂しかった。  「海斗…僕はこれからどうやって頑張ればいいんだよ。海斗はあんなに強かったじゃないか…」  その時、海斗の母親がお茶を入れてきてくれて、声をかけてきた。  「もしかしたら…天津夏樹くん?」  「え…は、はい。そうですが…」  いきなり声をかけられ驚いて、涙が止まったが、続く言葉にさらに驚いた。  「この日記…海斗のなんだけど…昨日自殺する直前に、最後のページを書いたみたいなの」  え…自殺…そんなのは聞いてない…だってあんなに元気に笑って、別れて帰って行ったじゃないか…  「あ、あの…海斗は、自殺なんですか…?な、何で…海斗ぉ…」  「あの子が、転校生って聞いたんじゃない?私達は日記を読んだから…これは、どうしても天津くんに読んで欲しい。それが正解かわからないけど、きっと海斗は天津くんにこれを残したんじゃないかしら」
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