海斗の日記

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海斗の日記

 僕は海斗の傍で、その日記を黙々と読んでいた。最初は僕と同じような気持ちを書いていた。 今日から登校で、転校生はやっぱり嫌だった。なんだか小学生なのに、どうして皆、遊んだりしないんだろう。つまらない。 授業がつらい。皆はなんであんなにできるんだろう。思いきって聞いてみたら、塾や家庭教師をつけているらしい。 俺は息が詰まってきた。お父さんが医者だから、同じ医者にならないといけないらしい。だから、わざわざ転校させられた。親友の孝太(こうた)は、元気にしているかな…。 今日は俺と同じように転校生がやってきた。なんで編入してきたかと聞くと、親の都合だと言う。名前は、天津夏樹。夏樹は俺と同じだ。あの違和感のあるクラスをすぐにわかってくれた。夏樹にだけは同じ思いはしてほしくない。放課後、あんなに話したのは久しぶりで本当に楽しかった。でも…夏樹を置いて行くのだけが心残りなんだ。俺はあのクラスの視線、あの担任の集中攻撃も全てが限界なんだ…ごめん。でも、いつも夏樹の傍にいるから、夏樹は辛かったら絶対に直ぐに逃げるんだ。逃げることは恥ずかしい事じゃない。命を守るんだ。俺は家にも、学校にも逃げ場がなくて、最後に夏樹に会えて本当に良かった。ありがとう。  そこで終わっていた。少ない日記だが、あまり書く事もない、変化のない日々だったんだろう…。僕は自殺だなんて全く知らなかった。今日来てた関係者とか、クラスの人は知ってたのだろうか…。
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