3人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、アマネ。」
「あ、金児さん。」
そんな時、ふと彼女に呼び止められた。
隣には山坂さんの姿も。
「ちょっといいか?」
「?」
「まあ座れよ。」
金児さんは手近にあった椅子を引く。
言われるがままに、私は腰掛けた。
2人も机を挟んで、私の正面に座る。
「えと、何かな?」
「いやさ、打ち上げの時に聞こうと思ってたことがあってさ。」
打ち上げ・・・。
やっぱり行けなかった事、根に持たれてるのかな。
「行けなくて、ゴメン。」
「いやいや、それはもういいんだよ、別に。」
「家の事情があるなら仕方ねぇって。
ウチらも別に怒ってねぇから、気にすんな。」
ホント?
いいや、ウソだよ。
もしホントだとしたら、この呼び出しは一体なんなの?
あなた達が他に、私を呼び止める用なんてある?
一人で考えていると、程なくして杉田さんもやってくる。
「あれ?
杉田さん、片付けは?」
「心配ご無用。
赤坂に丸投げしてきたから!」
「いやダメでしょソレ!」
なんでそんな得意げな顔でピースを・・・。
「さておき、アマネ。
文化祭おつかれ。」
「まだ片付けの途中なんだけど?」
「ツレないこと言うなよ。
ほら、約束のやつ。」
そう言って、杉田さんはミルクティーを私に投げる。
「約束?」
「言ったでしょ?
おごったげるって。」
「ちゃんとウチら三人で割り勘してんだ。
ありがたーく頂くように。」
「ま、かなり安っぽくなっちゃったけどね。
それは勘弁して。」
「みんな・・・。」
三人とも、怒ってる様子はないみたい。
むしろ自販機のジュース一本で済ましている事が申し訳なくて仕方ない感じだ。
「ところで、ちょいと聞きたいコトあんだけどイイ?」
「え、なに?」
「いやさ、ハゲ崎についてなんだけど。」
え、花崎先生のこと?
「ちょーっと気になることがあってね。」
「詳しく聞かせてもらうぜ。」
「簡単には返さねぇから、覚悟しろよ?」
最初のコメントを投稿しよう!