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も、もしかして、手を繋いでたのがバレちゃた?
それがなにか問題になってたり・・・。
「文化祭でのアレ、一体何があってああなったワケ?」
「えと、アレってどれかな?」
す、すっとぼけてみよう。
「いや、バカ。
どれも何も、最初から最後まで全部だよ。」
「あのオッサンとデートしてたじゃん。
しかも自分から飛びついて、終始ベタベタして。」
「もしかして、小遣いでももらってたいすんの?」
なっ!?
「ない!
それはない!
断じてないからね!絶対ない!」
「うわ、ムキになりすぎだろ。」
「ジョーダンだっつーの。
相変わらずおちょくり甲斐があるな、アマネは。」
いやいやいや、必死にもなるよ!
私のワガママで先生に濡れ衣を着せるわけには・・・まあ確かに、思いっきり見せびらかしてたけど!
「じゃあ何?
罰ゲーム?イタズラ?」
「そんなんじゃないよ。
私はただ、その、」
えっと、えっと、
なにかこう、うまい言い訳は・・・。
「まさか、マジでデートなの?」
「・・・。」
ダメだ、何も浮かばない。
「・・・うん。」
「援助とかナシ?
ドッキリでもなく?」
「ちがうよ。
私が付き合わせたの。
片想いだけど、私は純粋に先生が好き。」
ああ、言っちゃった。
でも仕方ない。
躊躇も恥じらいもあったけど、それでも不穏な脚色が定着して噂になる方が嫌だ。
事実をはっきりさせるためだ、全部隠すことは諦めよう。
見せびらかした私の自業自得だし、バカにしたければすればいい。
それで、私が付き合わせたと断言することで、先生が被害者になるのなら、私は――
すると突然、山坂さんが笑いながら立ち上がる。
「やりぃ、大穴!
ウチの一人勝ちぃ!」
「うっわ、マジかよ。」
「大番狂わせだなー。」
それから、しぶしぶと財布を出す金児さんと杉田さん。
それぞれ山坂さんに5000円を差し出した。
「まさかみんな、」
「そ。
アレが何だったのか賭けてたの。」
「おいアマネ、マジか?
マジで小遣いもらってねぇのか?
誰にも言わねぇからホントのこと言えよ。」
「往生際が悪いぞ、むーたん。
アマネが売りなんかするワケないじゃん。」
こ、こいつら・・・。
私の心配って一体・・・。
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