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・沈め石【しずめいし】
細い割竹を交差させて、格子をつくり、籠をつくる。その網目は、六角形の羅列の隙間を小さな三角形が埋めていて、星型が連なっているようだった。ぼくの手にある竹籠は、目も荒く、歪んでいて不恰好だったけれど、遠くから眺めれば手鞠のように見えるのかもしれない。
噎せるような草いきれを風が散らす。草は地を埋め尽くさんばかりに繁っている。家屋から川への道のりにおいて、前を行く叔父がよぎった暗がりに一瞬だけ沈む。麦藁帽子のふちを持ちあげて空を見上げると、悠然と鳶が旋回していた。
叔父の家は山間にあった。瓦屋根で座敷蔵のある、和室と板廊下でできているその家に、叔父はひとりで住んでいた。普段は叔父しか使わないからか、叔父の家と水田や集落とを隔てている川には、頼りない橋が架けられていた。欄干や柵といったものはなく、ひとりの大人がなんとか渡れるくらいの幅の、打ち付けた木の板を連ねて足場にしている細い橋だった。橋のはるか下に、流れる水のきらめきがある。細い川で、上流に近いからか、それなりに流れは急だ。これがもっと壮大であれば渓谷と呼んでもよかったのかもしれない。
高く跳ねた水飛沫が、真夏の鋭い陽光に輝いた。両手で竹籠を抱えて、細い石段を注意深く川へと下りていく。そこで待っていてくれた叔父と合流すると、ぼくと叔父の影が川底でゆらめいた。麦藁帽子をかぶった子供の影と、眼鏡をかけている細長い大人の影。ふたつの影は、くっきりとしていて、黒く、濃い。
ぼくが竹籠を使って何をしようとしているのかといえば、夏休みの宿題だ。そこになぜ叔父がかかわっているのかといえば、はなしの流れであったと言うほかはない。ある時、手土産を持ってぼくの家に遊びに来た叔父は、夏休みの宿題である自由研究に何をしたらよいのか悩んでいたぼくに手を差し伸べてみることにしたようだった。
ぼくが手にしている竹籠は蛇籠ということになっている。ここでは、鉄線で編んだものではなく、竹で編んだものについてのはなしをする。蛇籠というのは、円筒のようなかたちをしていて、石を詰めて急流に沈め、流速をやわらげるために用いられる。沈めてからしばらくすると小魚が住み着くこともあるらしい。ぼくが調べようとしているのは後者だ。ただし、ぼくの宿題を片付けるのはぼくである。ゆえに、ぼくにもつくれる大きさの竹籠でなければならない。治水に使われるような大きな蛇籠など、つくれるはずもない。だから、叔父のことばを借りるのなら、これは縮小実験ということになる。
抱えてきた竹籠を川底に沈める。肘を川面が滑っていく。川辺の石を見繕い、重石として網目から詰めこんだ。
「固定できたみたいだね」
黒い影が水底にたゆたう光の網を塗り潰した。面をあげると、水に呑みこまれた竹籠を叔父が覗きこんでいた。
「さて、ここできみがしなければならないことは何かな?」
夏休み明けの発表に必要なものを思い描く。沈めた籠に生き物が住み着くかどうかを知りたいのだから、沈めてすぐの籠と沈めてしばらく経った籠が並んでいたら、一目でわかるのではないだろうか。だからぼくはこう答えた。
「写真を撮る」
ホイップクリームのような入道雲が、ほどなく夕立が到来するであろうことを告げている。
台所で一緒に夕食を作っていた叔父から、座敷蔵の窓を閉めてきて欲しいと頼まれた。
「天気がよかったから、窓を開けて風を通して、ついでに虫干しもしていたんだけれどね」
鍋で煮こまれているカレーを混ぜながら、叔父は曖昧な笑みを漂わせた。
「すっかり忘れていたんだ。夕立が吹きこんでいなければいいのだけれど」
廊下を抜けて座敷蔵に向かう。座敷蔵に近づくにつれて蒸し暑さが薄れていき、板張りの床は冷えていく。涼しさが増していくにつれ、廊下に満ちる薄暗さも増していく。
竹の香をふくんだ微風が足首を撫でた。座敷蔵の口である漆喰の扉はいつも開かれているから、廊下と蔵の普段の境は曇り硝子を嵌めこんだ引き戸だった。日暮れの黄金よりは赤い陽が、細く開いた引き戸の隙間から廊下に射している。なかを覗きこんでみると、真正面に裏の竹薮が見えた。窓は全開だった。なかに足を踏み入れる。あしうらに触れる畳はひんやりとしている。両の壁際には埃避けの布を被った家具や茶箱などが積まれている。窓へと進むぼくの道筋を途切れさせるのは、窓辺に置かれたテーブルだけだった。テーブルの上には標本箱やよくわからないものが並べられていた。叔父が虫干ししていたものとはこれらしい。それらは点々と濡れていた。雨が吹きこんでしまったようだった。
風に撫でられたのか、竹葉がざわついた。竹稈と竹稈のぶつかりあう音が連鎖して、残響が重なっていく。夕立のもたらした雨の重みで撓んだのか、夕立とともに吹き荒れた風がしならせたのか、それまで傾いでいた竹が元に戻ったらしい。遅れてきた夕立のように水滴の降る竹薮も、木箱の積み重なる座敷蔵も、夜の青が滲みはじめたからか、そこにあるものの輪郭はことごとく蕩けている。
雨戸を閉め、窓を閉め、鍵をかける。電灯を点けることを忘れてしまっていたから、淡くはあっても光のあることに慣れていた視界は、一瞬、真っ暗になった。
眩暈のようなぐらつきを覚えて、立ちすくむ。
「陽を遮るか」
落日と宵闇のあわいに聞こえた声は、なんだかとても不機嫌そうだった。
叔父はこの家にひとりで住んでいるはずだった。夕暮れの座敷蔵で聞いた声は、どこから聞こえてきたのかその源を見出すことはできなかった。空耳かもしれないものを口に出すこともできないまま、次の日、電話で職場に呼び出された叔父をぼくは見送る。
朝食に使った食器を洗い、洗濯物を干して、宿題にとりかかる。鉛筆を握ることに飽きてきた頃、川底に沈めた竹籠の様子を見に行くことを思いついた。
麦藁帽子をかぶりながら外に出て、玄関の鍵を閉める。
空は曇っていて、蝉はにぎやかに鳴いていた。
川に足をひたすと、まろやかな流れが膝裏を撫でた。上から覗きこむ竹籠は、昨日そこに沈めたままだった。叔父のはなしによれば、魚が住み着くことはもとより、籠のかたちをしている割竹が崩れて周囲と同化するといったことが起きるかもしれないというのだが、さすがに一日やそこらで生じる現象ではない。
水飛沫のきらめきが鮮やかさを捨てた。曇天が透きとおった黒をもって空を潰していた。肌にまとわりつく水気が密度を増す。青田の波打つ音がする。土の香が鼻先をくすぐる。
空から落ちてきた水滴が腕を叩いた。
「洗濯物!」
大粒のぬるい雨に叩かれながら、ぼくは叔父の家へと走っていく。
辿り着いた玄関の戸は開いていた。叔父が戻ってきたのだろうか。上がり框に足を置く。灰色の日傘が戸口に立てかけてある。物干し場を前とする窓のある廊下へと駆けていく。勢いよく窓を開けると、乾きかけの洗濯物が、雨粒の痕を模様としながらひるがえった。慌てて取りこんだ洗濯物を腕ごと廊下に投げ出す。床の高さとなった目線が、廊下の先に現れた人影に絡んだ。
その人影は座敷蔵から出てきた。薄暗い廊下に白いワンピースの裾が広がった。それは夜の海にひるがえる魚の鰭のようだった。暗がりにゆらめく白を纏うのは、おとなとこどもの境にあるらしい、おんなのひとだった。
長い髪をなびかせながら、そのひとは廊下を歩み始めた。洗濯物に顎を埋めているぼくの前にまで来ると、そのひとは膝をついた。銀糸のような髪をかきあげる手は、融けかけの雪塊のように白かった。ぼくの目を覗きこんでくるそのひとの目は、光沢のある潤みを帯びていて、色彩が定まらない。月輪の虹彩が赤や金色にきらめくのだけれど、地色は青のようだった。その変化する様は、身をよじらせる魚の、鱗の色が移ろうかのようだった。
「家主に伝えろ。あれののぞみをきいてやれ、と」
かたちの優雅さを裏切って、そのひとの口調はぞんざいだった。もたらされた音にうながされて、ぼくは座敷蔵へとつながる暗がりに眼を転じる。
そこには、衣の袖を引き摺るようにして、裸足の幼子が立っていた。
帰宅した叔父に日傘のひとのことばを伝えた。あの白いひとをそう呼ぶことにしたのは、あのひとが立ち去った玄関からは日傘がなくなっていたからだ。
「彼女は古い馴染みなんだ。どんな鍵にしても、開けられてしまうんだよね」
叔父は困った顔をした。困った顔をしてはいるけれど、それと同じくらい嬉しそうだった。
日傘のひとが現れた次の日、ぼくと叔父は山を登っていた。
「私有地に勝手に入っていくわけにはいかないからさ。分け入るのをお願いするのが面倒じゃない山で助かったよ」
夏山の濃緑が目に刺さる。朝露の名残なのか日々降る雨の名残なのか、あたりには土の香が満ちている。水をふくんで黒い土は、日陰において、そのぬかるみをもってぼくの足を滑らせた。山道はところどころ草に埋もれていたけれど、先行する叔父は迷いなくそれを踏みなぞっていた。標本小箱の入っている鞄を背負っているぼくは、叔父から離れないように足を速める。
叔父の背中に声を投げてみた。
「どうして信じてくれたの?」
歩を休めることも振り返ることもなく、叔父はこたえた。
「僕にもそのかけらの声が聞こえていたことがあるんだ。昔のことだけれどね。彼女のこと、彼女が僕に伝えろと命じたこと。それらをどうして僕にはなしてくれたのかな?」
「必死なようだったから」
「彼女が? お願いをしたがっていたものが?」
「どちらも」
山の頂は拓けていた。樹木を囲いとして、枯れ草と青草の交ざった窪地があった。ここに水が湛えられていたのならば、舟遊びができそうだった。
「山頂まで登ってきたけれど、これからどうすればいいのかな」
耳を澄ましてみる。声が聞こえてくる。聞いたものを、そのまま、この唇から紡いでいく。
「目印があるはずだ、って」
「漠然としているね」
「いつであっても葉の落ちない木があるはずだ、って」
「常緑樹か。冬ならば目立ったのだろうけれど。とにかく、探してみようか」
緑があふれかえっている夏山を、窪地の底から叔父は見回した。
窪地を囲む緑のなかに、ひときわ艶やかに陽を撥ねる、濃く、硬い、緑があった。
「これかな」
叔父が歩み寄っていく樹木は大木に見えた。叔父を追いかけて、その木のつくる緑陰に入る。湿気が肌を撫であげる。足もとがぬかるんでいる。根を湿らせて水の染み出しているところがある。
蝉の鳴き声が、緑の天蓋に弾かれて、空へと抜けることができずに渦巻いている。
大木を仰いでいる叔父の隣に立つ。近くで見てみると、何本かの幹が集って一本の巨木のようになっていることがわかる。根にちかいところには、苔むして暗い、樹洞のようなものができていた。
「椿だね」
叔父が感嘆の声をあげた。
幹に触れてみようとして手を伸ばす。木の肌に触れそうなところで、ぼくの手と同じかたちをした幼い手があらわれて、ぼくの手に重なり、透けた。そのことに驚いて手をひっこめる。透きとおった指先は、そのまま木肌をなぞっていく。一歩、さがってみた。白い肌を、白い髪を、衣を、木肌を撫でる幼子の後ろ姿を、ぼくは見る。土を踏んでいるはずのそのあしさきに、影がつながっていない。
「まだ梯になれないでいるか。こんなに挿しているのに、あいつも気の毒だな」
ここまでぼくたちを導いてきた声が、幼子の唇からころがりおちた。
「おれのかけらはあるか」
うながされて、鞄から標本小箱を取り出す。差し出そうとしたところでぬかるみに足を滑らせた。ぼくの手から飛び出した小箱は、幹に当たって箱と蓋に分かれた。中に入っていたかけらの白が、洞へと落下していく。かけらを握りしめようとして、這いつくばったまま、ぼくは腕を伸ばす。指先に白が触れる。
蝉の声が消えた。
そこはとても暗くて、とても静かだった。そこに満ちている黒は澄み切っていて、灯も雲もしらない夜空のようだった。
黒を裂きながら、かけらの白が落下していく。落下であったものがゆるやかに速度を緩め、あるところから、真っ暗な水のなかを降りていく。白にひきずられているぼくも、どれだけ満ちているのかわからない水のなかを沈んでいく。
かつんと硬い音がした。はるか下方に箱があった。つやつやした黒い箱だ。先ほどの音は、それの蓋に白が当たった音だろうか。
水を孕んで膨らんだ衣が、ゆらめく白の髪が、跪くように折られた細い脚が、あらわれた。素足の踵はちいさくて、箱にしがみつく肢体はたおやかだった。まだそこまで沈んでいけないでいるぼくは、幼子が箱の蓋に指をかけるのを、上から見ていた。幼子が蓋を放り投げると、煙があがるように金糸があふれた。
箱のなかには金色があった。箱のうちがわは朱塗りだった。箱のなかにおさめられているなにものかは、横向きに身を丸めているようだった。大切なものを両手で握り締め、祈っているようにも見えた。抱き締めているものを、たわめ、歪め、握り潰しているようにも見えた。ひらかれた目の碧は、凪いだまま、どこも見ていなかった。
「眠ってすらいなかったか」
呆れ果てた声が、幼子の唇からこぼれた。
「それはあんたのあげた声ではないだろう。それが散じてしまったところで、律儀にあんたが気に病むことでもない」
箱の縁に手をかけて、幼子は身を屈めた。ゆらめく白い髪に、逆巻く金糸がやわらかく絡んだ。
「なじっているわけではないさ。これがおせっかいだということは、わかっているんだ。だが、とりひきをしてしまった。おれをここに運ばせる手助けをするかわりに、声を届けてやると。だから、ここには、あんたのかわりにおれがいるよ。これまでこの庭を守っていてくれて、ありがとう。でも、だからこそ、あんたはあんたの夢をみたっていい」
ちいさな唇が、金色の瞼を押し上げる。真白の瞼はとじられて、まるい碧は隠される。
「早く泳いでいってやれ。あんたを待っているあいつは、待つことをやめられないくせに、待ちくたびれている」
幼子の脚が床に膝をつくようなかたちであったから、箱の置かれている平面があるのだとおもいこんでいたのだけれど、そこを過ぎてもぼくの沈降は終わらない。深さも広さもわからない暗闇を沈んでいくぼくは、やがて箱の裏側を見上げるようになる。
白い片腕が、箱から伸びた。幼子の背に回されたそれは、しなやかな、おとなの腕だった。片腕は、幼子をかかえるようにして肩を掴み、引き寄せた。幼子の膝が浮いて、ちいさな足がばたついた。網から抜け出ようともがく魚の尾鰭が、水を蹴散らしながらひらめいているかのようだった。片腕に抱き寄せられて、幼子の衣はおおきく膨らみ、大腿が暗闇に踊った。幼子は頭から箱にころがりこんだ。ばたつく細い脚が像を残した。
ぼくが見上げるものは箱の裏側だけになった。
蝉の声が戻ってくる。
「大丈夫かい?」
傍らから叔父の声がした。首のまわりが冷たかった。冷水をふくんだタオルが巻かれていた。苔むした洞が頭上にある。緑の天蓋が真上にある。ぼくは木陰に横たえられていた。
「ころんでしまったようだけれど、どこか打ったりしたかな」
大丈夫だと告げると、安心したのか、叔父は気の抜けた顔をしてその場にへたりこんだ。
「ちょっと休んでいこう」
蝉の声が落ちてくる。はちきれんばかりの蝉の声に、硬い音が混ざる。音のした方に眼を向けると、叔父が小箱の蓋を閉じたり開けたりすることを繰り返していた。
「なかみが見当たらなくてね」
手遊びに叔父が弄っているのは、ぼくが落とした標本小箱だ。
「やっぱり、こうなっちゃったか」
叔父の手のなかで蓋と箱がひとつになった。
「隠していたんだ。彼女のさがしものがあのかけらであることを知っていて、ずっと、どこにあるのかを黙っていた。ぼくのところに彼女があらわれる理由がなくなってしまうからさ」
とらえどころのない笑みをたゆたわせる叔父は、気恥ずかしそうでもあり、泣き出しそうでもあった。だからというわけではないけれど、ころんでから目が覚めるまでに見たものを、はなしてみることにした。うまくまとってはいなかったけれど、叔父は最後まで耳を傾けてくれた。
「まぼろしだったのかな」
「どうだろうね。そのように信じて、そのように振舞ったものが、いたのかもしれないし、いなかったのかもしれない。まぼろしであったのかどうかを定めることができるのは、それに触れたきみだけだ。ここに来たがっていたものの声は、まだ聞こえる?」
「聞こえない」
そうかと笑んでみせた叔父はどことなく羨ましそうだった。叔父は立ち上がり、窪地を背にして、茂みを掻き分けながら木陰から出て行く。
身を起こして、湿った土に直に座った。叔父の後姿が、空に腕を突きあげて、伸びをする。
「見晴らしがいいなあ。海の方の雲が、厚くて、黒い。雷の前兆かな」
木々のそよぎが後ろから迫ってきて、木陰をつくっている枝葉をゆさぶりながら通り過ぎ、叔父の掻き分けた茂みを波打たせる。夏山を駆けてきた風は、遠くを眺めている叔父をあおってから、空へと吹き抜けていった。
空は晴れていて、蝉がにぎやかに鳴いていた。
叔父と一緒に川へと向かう。沈めておいた竹籠を覗きこむと、一匹の魚がいた。ちいさな魚で、流れに逆らって尾を振っている。金色の鱗がきらめいていた。
顔をあげると、ぼくと同じようにして竹籠を覗きこんでいた叔父と、目が合った。
「魚がいるね」
叔父の目は輝いていた。とても嬉しそうだった。
「写真、撮らないと」
カメラをかまえて、ファインダーを覗きこむ。金色の魚は籠のなかに留まっている。そこに黒い魚が泳いできた。黒と金色は、互いに相手を鬼として逃げているのか、くるくると回った。やがて、黒い魚は網目から抜け出し、どこかへと泳いでいった。竹籠のなかには金色だけが残った。金色の魚は水のなかで静止しているかのように見えた。わざわざ写真を撮らずとも、ずっとここに留まり続けているのではないかと錯覚した。だから、ぼくはシャッターを切ることができないでいた。
しばらくそうしていると、金色の胸鰭がゆらぎ、きらびやかに陽を弾いた。
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