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「そんだよ!新くんも歌うんだし、それに僕たちもうユニットだし!新くんも選ばなきゃ!」
光がそう言うと、梓もそれに便乗する。
「新…一緒に選ぼ?」
光に手を引っ張られ、座らされる。
「まっ、どんなもんかお手並み拝見だな」
素っ気なく慧が告げる。だが、本心は違う。新の実力なんてもう知っている。新の前では、どうも素直になれない慧。
「じゃあ、入れるよー」
光は、手に持つCDをプレイヤーに入れる。そして流れた曲に光、梓、慧の三人はド肝を抜かれる。それも一曲ではない。CDには数曲入っている。この中から一曲選ぶには、勿体ないほど。
「新くん…これ……帰ってきてから作ったんだよね…?」
「…あぁ」と小さく呟いた新は、プイッとそっぽを向く。それを聞いた三人は、俯く。俺たちに、これに見合った歌詞を乗せれるのかか。そんな皆の心配を微塵にも気にしていない新は、良の隣にもたれ掛かり、良の手を弄る。
「光、さっき言ったでしょ?」
良のその言葉に、光はハッとする。
"補い合ってこそのユニット"
「皆、大丈夫だよ!僕達なら書ける!!」
「そうだな。やるしかない」
そう梓が言うと、慧は少し悔しそうに新に呟く。
「確かに、お前の作った曲はスゲーよ。正直、ここまでだとは思わなかった。これに見合った歌詞?…それ以上の歌詞を書いてやる」
そう新に宣言する慧。
「でも、まず曲を選ばなきゃね」
良のその一言で、また三人が浮かない顔をする。
「多数決でいいんじゃないか?新も選ぶんだよ」
「そうだね!多数決にしよう!」
その後は曲も決まり、新は結局1番多かった票に手を挙げたが、それぞれが納得しロック調の曲に決まった。
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