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「 みんな乗ってた。」
「 そう、みんな乗ってたんだよ。いつもは乗って来ないからお兄ちゃんもビックリしてた。僕もビックリしたよ。このまま一緒に車に乗って行くのかなと思ってたんだ。みんなゲラゲラ笑ってた。すっごい楽しそうにね。その時ママが言ったんだ。
『 全員乗りましたかー。』
って。
ビックリしたよ。ママも見えてるの?って思ったけど
いつもの感じだと多分全然見えてないよね。そしたら天使達とおじさんはすーっといなくなった。お家に帰ったらいつものようにいたからお家に帰ったんだね。」
「 おじさんって、あの、」
富士子は港ちゃんから聞いていた人の風貌を思い浮かべながら説明するべきかどうかを迷っていたら総十郎君はくいぎみに可愛い声で、2歳の男の子の高い夢のような可愛い声で、
「いつも家の中にいるおじさんがいるの。ぼろぼろで傷だらけで血まみれだけどいつでもニコニコしてるから怖くないよ。僕が初めてこの家に来た時からいたよ。」
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