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港ちゃんにこのボロボロになっている男の人を何と言うのかと尋ねられて富士子は辞書で調べて、
「落武者(おちむしゃ)」
と、答えた。
お家の中にいつもその人がいると思うととても恐ろしく思ったが港ちゃんに諭された。
「 その人は僕がこの家に初めて来た時からいたよ。
悪い事なんて一つもしないよ。いつもニコニコして僕達を見守ってくれている。いい人だよ。人は見かけによらないでしょ。ママのおじいちゃんとおばあちゃんみたいにお金持ちでも酷い悪い人はいるものね。ママ怒ってる?」
「 怒ってないよ。本当のことだもん。落武者さんのことを怖がって悪かったわ。」
「 うん、わかってくれたならいいの。」
港ちゃんに教えてもらってたのに富士子の目には見えないから、いつもその存在を忘れていた。でも今日ハッキリと思い出した。総十郎君が思い出させてくれた。
「 天使が3人乗ってたの?」
富士子が総十郎君に尋ねると、
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