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深夜、帰宅した夕希が真っ先にしたことは、先日貰った淳弥の名刺を確認することだった。連絡先とアドレスを入力して、SNSの登録がないか、探してみた。
(…これかな)
LINEの知り合いかも? の欄にJYUNというアカウント名があった。写真は確かに峰のもので、トップ画はサーフボードが沢山並んでる。
スポーツショップの営業さんだもんね。
…どうしよう。電話するには遅いし、明日お礼すればいいかな。メッセージひとつ打つのにドキドキして、迷う。こんな気持もいつ以来だっけ。
トップの峰のアイコンの写真は、にかっと白い歯を見せて笑ってる。それを見ながら、夕希は眠りについた。
次の朝、夕希はラインの新着の音で目覚めた。しかも、ピコンピコン立て続けに鳴ってる。
(だ、誰だろ)」
慌ててスマホを手にとって見てみると、淳弥からだった。どうも、昨日寝入りしなに誤って、友達追加のボタンを押してしまったらしい。
(や、やだ、私…)
けれど、淳弥の反応は嬉しそうだ。
――峰です。友達追加ありがとっ
――まだ、寝てたらごめんね
続いてすぐに、サラリーマンが申し訳なさそうに頭を下げるスタンプが送られてる。
くすっと笑って、夕希もおはようございます、とうさぎがにこにこしてるスタンプを送ってから。
――勝手に友達追加すみません。シリアルありがとうございました。
と、文章でメッセージを送る。すぐに、親指を立てて、ウィンクしてるサラリーマンのスタンプが来た、気にするな、ということなのだろう。
以来、朝と夜になんとなく送り合うようになった。
――今日は仕事なんです
とか、学校の近くの公園で見た向日葵が綺麗だったから、と画像をつけたり。他愛無いやりとりが続く。
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