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週末の夜は只でさえ人の引きが遅い。いつもなら空いてくる時間なのに、今日は全く流れが途絶えなかった。夕希にはテレビを見る余裕がなかったが、どうも明日は朝から雨の予報らしく、そんなことも関係してるのかもしれない。
客を迎えて、カゴの中の商品をバーコードで読み込んで、会計をしてもらう。ひとり頭1分くらいのルーティンワーク。
身体に染み付いてる作業なのに、今日は心身への負担が大きい。また貧血になってるのかな、立っているのがやっとになってきた。
琢朗の言う通り、今日は休むべきだったか。でも、レジの混雑ぶりを考えると、今、帰りたいなんて言えない。
あと1時間だ。自分を騙し騙しやろうと思ったのに、ぐらっと再び、目眩がした。地球が回ってるような錯覚に襲われ、自分の目の焦点が定まってないのだと気がついた時には、もう、立っていられなかった。
ガクンと膝をついて、白いレジ台にすがりつくように座り込んでた。
「あなた、大丈夫?」
並ぼうとしてた人の良さそうなお客さんが夕希に話しかけてくれる。夜の管理を担当するマネージャーも来てくれて、夕希の周囲は騒然となった。
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