5人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「ほんっとーに! すいませんでしたぁ!」
雑居ビルの屋上で、俺はキューピッドの謝罪を受けていた。
「あの、私、初めて人に向けて矢を放ったので……。あわわ、どうしよう、矢は一対しか渡されてないのに。どうしましょう!」
天使の格好をした女の子は、パニックを起こしていた。
「すみません、こうなったら、貴方の運命の相手を見つけて、射るしかないです! 探しましょう! よろしければ、お名前をお聞かせください!」
天使は持っていた白いポシェットから、タブレット端末のようなものを取り出した。
「こちらで検索して、射ます!」
えっ!!! 愛のキューピッド、対象を端末管理してんの?!
俺はタブレット後ろに貼り付けられた『貸出用』のシールを見ながら、少しめまいがした。
最初のコメントを投稿しよう!