君に金の矢を

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「ほんっとーに! すいませんでしたぁ!」 雑居ビルの屋上で、俺はキューピッドの謝罪を受けていた。 「あの、私、初めて人に向けて矢を放ったので……。あわわ、どうしよう、矢は一対しか渡されてないのに。どうしましょう!」 天使の格好をした女の子は、パニックを起こしていた。 「すみません、こうなったら、貴方の運命の相手を見つけて、射るしかないです! 探しましょう! よろしければ、お名前をお聞かせください!」 天使は持っていた白いポシェットから、タブレット端末のようなものを取り出した。 「こちらで検索して、射ます!」 えっ!!! 愛のキューピッド、対象を端末管理してんの?!  俺はタブレット後ろに貼り付けられた『貸出用』のシールを見ながら、少しめまいがした。
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