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カステラ-日曜の菓子-
あの日以来、日曜の午後になると私は商店街でカステラを買う。
大きいカステラだが、高田の家には食べ盛りの長男がいる。余ることはない。
「カステラ、優ちゃんもいっしょに食べるの?」
娘は、いつも高田の次男の名前を口にする。高田の家で「優ちゃんを抱っこしたい」と言って、私たちを困らせる。
「優くんはまだ無理だな。歯が生えたらね」
「早く食べられるといいね」
「ああ、すぐに食べられるようになるさ」
あの角を曲がれば、高田の家はもうすぐだ。
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