第八章 氷解

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「へぇ、お前にしちゃいい心がけじゃねーか」 「悪かったね、過去の心がけがいい加減で!」  かけあい漫才のようになったあと、二人はニヤリと笑った。正直、礼は受験勉強が間に合っていないのではないかという焦りもあるが、富川との未来が明確になったことで、やっと大学に進学する意味を見出せたような気がした。 「勉強や大学での生活がこれからの自分にどれだけ必要なものになってくるかなんてわかんないけど」  オレは、敬祐と生きてゆく。  制服のポケットから取り出したマンションの鍵には、あのイニシャルのキーホルダーが付いていた。礼はそれをしっかりと握り締めたあと、再び参考書トノートに向き合った。  冬を乗り越えた先には、春がある。そのスタートラインに立つために。  the ende  
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