応援して。全部叶えるから。

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いつか肯定してくれると信じていたけれど、最近は正直よくわからない。何をどうするのが正解なのか、そればかり考える毎日で、オーディションにもなかなか受からなくなった。全てが上手くいかなくなってくると人間はダメな思考になるらしい、とかなみは実感した。  取柄はポジティブさだと思っていたのにそれすら失われそうで、もう精神的に限界が近かった。  何をしたらいいのだろう――。  かなみは筆を持ち、真っ赤な絵具をパレットに出すと、筆先を真っ赤に染めた。  考えてしまう時はこれに限る。  一メートル×一メートルの大きなキャンバスに筆先をつけると横に一本、線を引いた。  翌日、かなみは目の下に大きなクマを作ってマンションの下にいた。今日は平沢を待つのをやめようかと思ったけれど、平沢のことから目を背けたらそれこそ自分の何かが終わってしまうよう気がして、結局いつも通りの行動をとることにした。 「おはよう、かなみ。」  平沢もいつも通り現れた。  かなみもおはよう、と返す。だけど上手く笑えている自信がなかった。 「寝てないの?」 「うん、ちょっとね。」 「そう。」  二人は学校に向けて歩き出した。  会話はなかった。とはいえ、いつもたくさん会話をしているかといわれるとそういうわけでもない。モデル活動を始めてからはかなみからの一方的な話に平沢が相づちを打つ程度だった。  いつも以上の沈黙をやぶったのは平沢だった。 「今日は、学校をさぼろうか。」 「えっ?」  真面目な平沢からは考えられない提案だった。 「そういう気分なんだ。付き合ってくれない?」 「いい、けど……。」  かなみは戸惑いを隠せなかった。  平沢の表情は何を考えているかわからないが、心なしか少し楽しそうに見えた。  平沢に連れられて都内方面の電車に乗った。学校をさぼってしまった罪悪感と、久しぶりの二人きりでのおでかけにかなみはどこを見ていいかわからなかった。  一方で平沢にとっては一晩かけて考えた上での行動で、その行動には決意と覚悟があった。
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