好きになったみたいです

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「…あの、久石先輩、…相談があるんです」 よく晴れた昼下がり。同じ委員会の久石先輩に相談をもちかけると、久石先輩はいいよ、何でもきくよ!と言って笑った。お弁当も食べ終わってひまな昼休み、中庭にでも行こうか、と言って、先輩は歩き始める。 ありがとうございます、と言いながら、心臓の奥がぎゅっと痛くなるのを感じた。…ああ、まただ。また心臓が、ずきずきする。私は服の胸元をそっと押さえながら、苦しい呼吸でなんとか息を吐き出し、言葉を紡いだ。 「あの、私、最近、心臓が痛いんです」「えぇ?」 なんだそれ、大丈夫か?日当たりのいい庭の石に腰掛け、先輩はとても驚いた、という顔をした。 「それって、保健の先生に相談してみたほうがいいんじゃないか?」 「あっ、いえ、違うんです」 違うんです。服の裾をにぎる。そうしなきゃ、痛みに耐えられないからだ。でもそんなことに気づかない久石先輩は、違うって?とただ首を傾げた。 違うんです、先輩。私、この心臓の痛みがなんなのか、うすうす気づいてるんです。でも確証がないから、確かめたいんです、先輩。だから相談話を、聞いてほしいのです。 いろいろ言いたいけど、なんと言ってよいかわからず黙っていると、とりあえず病気の類ではないことはわかってくれたらしい。もっと詳しく話してみなよ、と言われ、こくんと頷いた。
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