37人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「やだ、なんでこんなことっ……!
立て続けに刺激を与えられ
我慢できずに僕は大きく背中を反らせる。
頭がはっきりしてくるにつれ
僕の身体を支配しているのが誰なのか分かってきた。
「求めたじゃないか……こうしてくれと」
それでも信じられなかった。
まだ夢を見ているのかもしれないと思った。
「それなのに、君……帰って行ったりして……」
リアルな夢。
執拗な甘い責め苦。
「九……条さん……?」
淡いバラの香り。
月明かりに浮かび上がるシルエットに僕は言葉を飲み込んだ。
「そうだよ……僕だ……まだこの家の鍵を持ってる」
自嘲気な笑いを含んだ声で
「君を縛る権利はなくても」
九条さんは赤縄で縛られた僕の手を撫でた。
最初のコメントを投稿しよう!