episode256 二重取りの愛

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「誰がこんなことを……?」 怒っていると言うよりむしろ感情を殺している。 頭の上で一括りにされた僕の手に指を絡めると 「ンンッ……!」 九条さんは再びお仕置きのように突起を口に含んだ。 温かく湿り気を帯び敏感になったそこを唇で扱く。 「や……誤解だよっ……許して……」 爪先まで痺れさせ僕は足掻くように口走る。 「そう言って泣いた後か?それともこれから……?」 「だから……誤解なんだ……」 九条さんは何も言わず ベルトを外す音だけが聞こえた。 「九条さん……?」 いつもの彼ならこんな真似はしない。 だけどどうやら——。 「もっと愛して見せろと言っただろ?」 「それは……」 彼を挑発したのは他でもない 「証明してやる——それに僕ももう我慢できない」 ——僕だ。
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