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重症だった。
この一件から僕の睡眠障害はますますひどくなった。
九条さんは何も言わなかった。
僕を責めることも征司との約束に口を出すこともなかった。
反対に征司もまた——何も言わなかった。
気の利いた彼氏みたいに興味のない芝居に付き合い、夜は愛と呼べなくもないやり方で僕を抱いた。
僕はと言えば。
平然を装い2人の間を行き来して
夜更けになると花を食らった。
さすがに心身とも限界だった——。
その頃には僕はこう思うようになっていた。
「で――2人は全て分かっていて芝居を打ってるって言うの?」
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